外壁・屋根塗装で使う足場の種類と費用
外壁・屋根塗装は高所での作業が多くなるため、必ず足場が設置されます。足場を設置する目的はいくつかあり、結果として塗装の出来映えにも影響するので、その必要性について理解しておくことが大切です。
このページでは、足場の必要性や種類、費用などについて紹介します。また「足場が無料」と言われた場合の注意点も説明しているので、そのカラクリも知っておくようにしましょう。
目 次
足場の必要性
職人の安全を確保
塗装工事は屋根や2階部分などの高所作業が多くなるので、ハシゴや脚立では転落事故に繋がる危険性があります。
足場を設置すると足元が安定するため、職人が安全に作業や移動ができるようになり事故やケガを防止することができます。また、万が一転落したり工具を落としてしまった場合も、足場や足場に取り付けてある養生ネットがクッションとなって大事故を防げる可能性もあります。
施工品質を維持
足元が不安定だと手元も震えて塗料を均一に塗ることができなかったり、塗装の境目がガタガタになってしまいます。足元を安定させることは、作業を行う時の体勢や手元を安定させることにもなるので、足場の設置は丁寧な塗装を行うための重要な工程となります。
さらに、状態が安定していると塗料缶と刷毛などを両手に持ってもふらつくことがないので、効率的に作業を進められます。また、必要な工具や塗料缶を足場に置きながら作業できるため、わざわざハシゴを昇り降りして工具などを取りに行くといった無駄な行動も省けます。
ご近所とのトラブルを回避する
外壁・屋根塗装では高圧洗浄の水や塗料が飛び散ることがあります。そこで周囲に飛散しないように建物を覆っているのが養生ネットです。
養生ネットは足場に取り付けるため、足場を設置しなければネットも取り付けられず、周りの建物や道、近隣の方などにも水や塗料が飛散してトラブルの原因になってしまいます。
足場の種類と単価
単管足場
単管足場は、丸い鉄パイプを2本並べて作られた足場です。
隙間や凸凹が多く滑りやすいため、現在ではほとんど使われていませんが、隣の家との距離が近い時や狭い場所などでスペースが十分に取れない場合は、単管足場を使用することがあります。
費用は㎡あたり600~800円が相場です。
単管ブラケット足場
単管ブラケット足場は、単管パイプにブラケットを固定して、その上に板を設置する足場です。板の上に乗るので安全性が高く、作業がしやすい特徴があります。
ただし、設置するのに時間がかかったり、ブラケットを固定しているボルトが緩むと揺れやすくなるデメリットもあります。
費用は㎡あたり800~1,200円が相場です。
クサビ(ビケ)足場
クサビ(ビケ)足場は、ブラケットをハンマーで叩き差し込んで組み立てる足場で、一般的によく使用されている種類です。単管ブラケット足場と違ってボルトが緩むことが無いので、揺れが少ないという特徴があります。また、足場の幅も広いため安全性も高いです。
設置や解体にかかる時間は短縮できますが、ハンマーで叩く音が響いてしまうので、事前に近隣の方へご挨拶しておくことが大切です。
費用は㎡あたり800~1,200円が相場です。
屋根足場
屋根専用の足場です。通常の屋根塗装では直接屋根に登って作業を行いますが、勾配が急で屋根に登るのが難しい場合は、屋根足場を使用して足元を確保します。
費用は㎡あたり700~1,000円が相場です。
坪(延べ床面積) 2階建て | 足場面積 | 単価(㎡あたり800円で計算) |
---|---|---|
20坪 | 150~164㎡ | 120,000~131,200円 |
25坪 | 165~179㎡ | 132,000~143,200円 |
30坪 | 180~194㎡ | 144,000~155,200円 |
35坪 | 195~209㎡ | 156,000~167,200円 |
40坪 | 210~224㎡ | 168,000~179,000円 |
45坪 | 225~239㎡ | 180,000~191,200円 |
50坪 | 240~254㎡ | 192,000~203,200円 |
足場の費用が高くなるケース
3階建て以上の建物は高さがあるため足場を頑丈に組む必要があり、その分費用が高くなります。屋根の勾配が急な場合も、屋根足場が必要になるので同じく費用がかかります。
また、敷地内の道が狭く施工先に車が停められなかったり、高層階の建物の場合は、足場の運搬や設置に時間がかかるので割高になることがあります。
足場が無料と言われた場合は注意が必要?
「足場を無料にします」と言われた場合は注意が必要です。
一般的な戸建ての足場代は15万程度なので「無料にする」と言われたらお得に感じられますが、実際は塗料代や諸経費など他の項目に足場代が上乗せされているだけで、合計金額は安くなっていないということがあります。
さらに最悪の場合、割引されていても利益を出すために塗料を必要以上に薄めて使ったり、塗り回数を減らすなどの手抜き工事が行われる可能性もあります。
足場の費用は安くないので、業者側も簡単に無料にできるものではありません。「今だけキャンペーン中です」や「今日決めてくれたら足場代タダにします」等は契約させるための常套句なので、先を急がずにまずは見積もり内容をチェックしてみましょう。
まとめ
外壁・屋根塗装で使われる足場は職人の安全性を確保したり、作業をしやすくして施工品質を維持する目的があります。現在主流なのはクサビ(ビケ)足場と呼ばれるもので、費用は㎡あたり800円程度が相場です。
業者の中には足場を無料にすると言って契約しようとするケースもありますが、無料という言葉に騙されずにしっかりと見積内容を確認し、信頼できる業者なのかを見極めるようにしましょう。