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外壁・屋根塗装のDIYのメリット・デメリット

基本的に私はDIYで塗装することをオススメしません。一番の理由は危険だからです。

県の同業者のお客様が、屋根から落ちて命を落としたという事実があります。命を懸けてやることなのかどうかは言うまでもないと思います。

このページでは、DIYのデメリットと、オススメはしませんがメリットなどについて説明しています。

DIYをオススメしない3つの理由

1.作業の危険性

1階部分の低い場所だけで、危険性はありませんが、2階部分も塗装することがほとんどだと思うので、その場合は危険です。

以前、他県の同業者のお客様が、屋根から落ちて命を落としたという事実があります。命を懸けてやることなのかどうかは言うまでもないと思います。そのため、職種として我々のようなプロが存在するわけです。

もしそれでもご自身で塗装して、愛着を持たれたり達成感を得たいという場合には、プロのアドバイスや助っ人を借りることをおススメいたします。

2.塗装の技術による耐久性の低下

私が職方として入門してから作業を覚えるのに3年掛かりました。ローラーでも半年間、刷毛だと1年でやっと序の口、それまでは完全なる素人扱いでした。最低限の塗る技術でも時間にすると約3600時間以上掛かります。

また、塗装は『塗る』だけではありません。塗装しない窓や床などをビニールなどで『養生』をしないと、雑な仕上がりになります。過去にDIYで塗った経験があるお宅を見せてもらうと、プロが見るとすぐにわかります。

また、ご自身で行う場合は、我々プロが使う業務用の洗浄機を持っていませんので、汚れや微弱塗膜を取ることも容易ではありません。しっかり洗浄できていないと、後々剥離や膨れの原因になります。

「せっかく塗装したのに2年後にパカパカと塗料が剥がれて、塗る前よりもみっともなくなった…」と、最終的に私どものところに依頼が来るケースもあります。しかし、その状況だと、保証を付けられない工事として塗装工事をお断りするケースがあります。

もし、どうしても保証を付けて塗装してほしいという場合は、お客様が塗った塗料を完全に剥がしてからになります。その際ですが、塗装する3倍の費用と手間が掛かります。そこまでやるのであれば、新規で屋根や壁を張り替えることをおススメします。

例えその状況を放置したとしても、10年後に塗装するときにプロに任せたところで状況は変わりません。補償の対象から外れる可能性があります。

我々業者側からすると、どんな塗料を使ってどんな施工をされたかわからない工事に対しては、どこから剥がれてくるかわからない状態であるという判断になるため、保証は出せないということになります。

3.作業時間(費用対効果)

作業時間に関してですが、大体35坪~40坪の一軒家を我々が施工しますと、施工スタッフ2~3名で、10日~14日の日にちが掛かります。人数にすると述べ25~30人が必要となります。

我々の技術力を持って25人ということは、恐らく素人さんが1名で1日7~8時間かけて施工する場合でも速くて2倍(50人400時間)、通常なら3倍(75人600時間)かかることになります。

弊社で施工をした現場の近隣のお客様と挨拶した際に、『うちは1年くらい掛けて自分で施工したんだよ!!』と自慢げに仰られておりましたが、その場所は住宅密集地でしたので、近隣のお客様に少し迷惑になるのでは?と疑問を持ったことがありました。費用の削減も大切ですが近所の目も気になさってください。

DIYする場合の作業手順

まず、準備するものは

・ローラーと刷毛塗料を入れる容器(使う色によって必要数を準備する)
・開口部養生用のビニールとテープ類
・洗浄機
・デッキブラシ
・ポリバケツ、ケレン道具
・必要に応じて脚立
・ヘルメット、安全帯

です。作業を順を追って説明していきます。

足場と飛散防止シートの設定

塗装工事は、危険作業になりますので、足場の許可書を持った業者に組んでもらい飛散防止シートをかけてもらいます(20万~30万円)。直接工事をお願いする場合は、工事保険に加入しているかどうかも確認を取って必ず契約書を交わしてください。

洗浄

洗浄機をリースで借りない場合は、家全体を洗えるホースを購入してください。そして、デッキブラシなどでお水を掛けながら擦り汚れやコケを除去してください(5万円~10万円)。因みに、ケルヒャーで洗浄を行ったら1日で終わるものも1週間掛かります。

養生

1日~2日乾燥時間を取りますので、その間に玄関やドア、窓回り、床周りのビニール養生を行います(養生道具込み10万円)。ここまでで恐らく1週間程掛かります。

屋根塗装

屋根の下塗り下地が鉄であればさび止め、そうでなければシーラーと呼ばれる下塗りを塗布します。その後、トップ材を刷毛・ローラー共に2回塗って屋根は完成です(材料費込み30万円)。

付帯部塗装

軒天のシーラー(洗浄でキレイに洗い流してあれば省略できる場合もある)、上塗りを2回塗布します(材料費込み5万円~10万円)。

外壁塗装

外壁の下塗り鋼製であればさび止め、それ以外はシーラーかサーフを1回~2回塗布します(材料費込み30~35万円)。

解体作業など

屋根壁以外の雨どいや破風の塗装工事(材料費込み10万円)を終わった後に、養生ビニールを解体して手直しや掃除を行ってから終了後に足場の解体を行います。ここまでで、素人さんであれば50人~75人掛かると思います。

最後までやり抜く気持ちと体力さえあれば可能かと思いますが、我々も一人で現場に入ることは、万が一の際の事故やケガの再発見が遅れ命にかかわる問題になるリスクがありますので、原則禁止しております。

もしもお助けが必要な時は1日25,000円~30,000円で職人を派遣いたしますので、学びながらご自分のお家をご自分の手で塗装してみてはいかがでしょうか?

DIYのメリット

欧米の方々は多くの場合DIYで自分の家を塗ってしまいます。「家のことは自分でやる」という文化がありますので、大工工事でも簡単なものはやってしまいます。

仕上がりや持ちというのは、プロ顔負けというわけにはいかないと思いますが、紫外線から家を守るということでいえば間違ってはいません。塗らないよりは塗っていた方がいいわけです。

当然材料や足場・洗浄機などのリースに掛かる金額以外は労務費になりますので、その部分がご自身の体で補う形になりますので、プロにお願いしない分出費も減ります。恐らくプロにお願いする金額の半分くらいでは施工は可能ではないでしょうか?

まとめ

「プロにお願いしたいけど予算的に難しい、でもやらないと家自体がボロボロになってしまう…」

そんな状況の方であれば50~60万円くらいご用意いただければ、安全対策をしながら、ご自分で塗装工事をすることが可能だと思います。

要所にアドバイスと助っ人が必要な場合は弊社にお問い合わせいただければ、経験年数と技能に応じて1日1人25,000円~35,000円(アドバイスのみの場合は、半日4Hで15,000円~20,000円)で職人を派遣して、説明しながら一緒に施工いたします。

足場の手配・安全保護具の貸し出し、材料の選定と販売、養生道具と洗浄機の貸し出しまで、弊社で有料にてお手伝いいたします。ただし、繁忙期は派遣自体が難しいので、閑散期の工程になってまいりますので、まずはご相談ください。

プロにちょっとだけお手伝いをお願いして、ご自分の手でDIYをプロ仕上げになんていうのも楽しんでみてはいかがでしょうか?

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