外壁・屋根塗装で行われる高圧洗浄の必要性と費用・相場

高圧洗浄の必要性

外壁・屋根塗装を行う前はまず高圧洗浄で塗装面の汚れ、ホコリ、コケ、古い塗膜などを洗い流して、塗装ができる綺麗な状態に整えることが重要です。

汚れや古い塗膜などが残っている状態のまま塗装をすると、新しく塗る塗料がしっかりと密着せず早期に剥がれてしまったり、ひび割れや膨れなどが発生してしまう可能性があります。

さらに、塗料が密着していない状態では塗料本来の性能を発揮できないため、建物を保護する機能や防水効果なども低下し、塗膜だけではなく建物全体の耐久性にも大きな影響を及ぼします。

高圧洗浄の大まかな流れ

高圧洗浄の流れ

外壁・屋根塗装の工事では1日目に足場・養生の設置、2日目に高圧洗浄という流れが一般的になります。

一般的な戸建て住宅の場合、高圧洗浄の作業時間は約7～8時間です。その後、天候や季節に合わせて24～48時間かけて乾燥させます。しっかり乾いてから塗装をしないと、塗膜の剥がれや膨れなどの施工不良に繋がるため、乾燥時間も大事なポイントになります。

高圧洗浄の作業内容

高圧洗浄は専用の高圧洗浄機を使って行います。外壁・屋根塗装で使う高圧洗浄機は、家庭用の高圧洗浄機と比べて非常に水圧が高いものになります。

実際に使用する際は、事前にバケツやタンクなどに水を溜めて、そこから水を吸い上げて水を噴出していきます。水を溜めておく理由としては、水道から直接繋ぐと出る水の量が足りず、噴出する水の量や水圧も安定しないためです。

高圧洗浄作業の費用相場

高圧洗浄の費用は㎡あたり100円～300円が相場です。また、薬品を使うバイオ洗浄の場合は㎡あたり200円～500円が相場になります。

一般的な戸建て住宅で外壁面積が130㎡だと仮定すると、費用は13,000円～39,000円程度になります。バイオ洗浄の場合は、26,000円～65,000円程度です。

高圧洗浄機の種類

通常タイプ

最もスタンダードなタイプの高圧洗浄機です。円錐状または扇状に水が噴出されます。

トルネードタイプ

水を噴出するときにノズルの先端が回るため、通常タイプよりも高い水圧で汚れを落とすことができます。また、水が飛散しにくいという特徴もあります。

ただ、水圧が高いので操作を誤ると建物を傷つけてしまったり、周囲の人にケガをさせてしまう危険性もあるので、取り扱いには十分な注意が必要です。

バイオ洗浄タイプ

高圧洗浄を行う前に、バイオ洗浄液とよばれる専用の薬剤を散布して汚れやカビ・コケなどを浮き上がらせてから、高圧洗浄機で洗い流していくタイプです。

頑固な汚れも落とすことが可能で、さらに洗浄後はコケや藻が発生しにくくなるメリットがあります。

ただし、通常タイプやトルネードタイプと比べると費用が高額というデメリットもあります。また、窓やサッシなどで化学反応を起こす場合もあるため、事前にきちんと養生して対策しておくことが重要です。

高圧洗浄の注意点

高圧洗浄ですべての汚れを落とせるわけではない

高圧洗浄は高い水圧で汚れやホコリ、古い塗膜などを洗い流していきますが、すべての汚れや塗膜を除去できるというわけではありません。

残ってしまった汚れや塗膜などは、高圧洗浄の後に金属製のヘラを使って綺麗に取り除きます。また、劣化が激しく高圧洗浄の水圧で破損してしまう恐れがある箇所は、ブラシを使って手作業で洗浄していきます。

高圧洗浄で使用される水道代

高圧洗浄で使用される水道代は施主様の負担となります。

大量の水を使っているので水道代も負担と聞くと不安になるかもしれませんが、1,500～2,000円程度なので心配するほど高額になるということはありません。

まとめ

高圧洗浄は塗装前に汚れ、ホコリ、コケ、古い塗膜などを綺麗に洗い流して、塗装面を塗装ができる状態にする大切な工程です。塗装面が汚れているままでは塗装をしてもすぐに剥がれたり、ひび割れや膨れなどの施工不良が起きてしまいます。

また、洗浄後の乾燥も重要な時間ですので、事前に工程などをきちんと確認して、適切な時間と方法で作業してくれる業者に依頼するようにしましょう。