艶の種類と特徴
塗装に使う塗料の色が決まったら、次は艶選びです。
艶には「艶あり」「7分艶」「5分艶」「3分艶」「艶消し」の5種類があります。どのタイプを選ぶかによって、仕上がりの見た目が変わるだけではなく、メリット・デメリットもあるので、それぞれの特徴を理解することが大切です。
このページでは、艶の種類やそれぞれの特徴について説明しています。
艶は5種類
艶の種類は、「艶あり」「7分艶」「5分艶」「3分艶」「艶消し」の5種類があります。
艶あり
5種類の中で最も艶があり、光沢度は70%以上あります。フラットベースと呼ばれる艶消し材が入っていないので、塗料の性能が100%発揮されます。
7分艶
7分艶の光沢度は、55%~65%です。業者や地域など場合によっては3分艶消しと呼ばれることがあります。
5分艶
5分艶の光沢度は、30%~40%です。業者や地域など場合によっては半艶と呼ばれることがあります。
3分艶
3分艶の光沢度は10%~20%です。業者や地域など場合によっては7分艶消しと呼ばれることがあります。
艶消し
艶消しの光沢度は、5%以下です。光を反射しにくいため、マットな落ち着いた仕上がりになります。
和風の建物や高級感を引き立たせたい場合には、艶消しがおすすめです。
よく使われている艶の種類
5種類ある艶の種類のうち、約75%の方は艶ありを選んでいます。
見た目に光沢感が出ることで、新築や新品のような印象がでますし、艶消しに比べ表面がツルツルとしているので汚れがつきにくく対候性が高いという点選ばれる理由となっています。
それぞれのメリット・デメリット
艶ありのメリット・デメリット
艶ありの最大のメリットは、外壁に艶ありの塗料を使うと光沢感が出るので、新築や新品のような仕上がりにできるということです。また、サイディングに塗装した場合、表面の凹凸がはっきりするので、外壁のデザインを強調することもできます。
表面がツルツルとしているので、艶消しに比べ汚れがつきにくく、フラットベースと呼ばれる艶消し材が入っていないので、塗料の性能が100%発揮されます。
デメリットは、年数が経過するにつれて艶が消えてしまうという点です。突然光沢が無くなるわけではありませんが、徐々に艶消しのような状態になります。また、人によっては強い光沢が「目立ちすぎる」「安っぽく見える」と感じる場合もあります。
艶消しのメリット・デメリット
艶消しのメリットは、光沢がなく落ち着いた印象となるため、高級感を出すことができるという点です。和風の建物にもよく合います。
デメリットは、艶ありに比べ1~2年程耐久年数が落ちるという点です。ほとんどの艶消し塗料では、フラットベースと呼ばれる艶消し材を混ぜて艶を落としているので、他の物質を混ぜている分、塗料の性能が落ちてしまいます。
また、艶ありの塗料に比べ表面がザラザラとしているので、汚れが落ちにくいという特徴があります。
塗装するときの注意点
艶の有無は塗料によって違う
塗料は販売されている商品によって、艶の種類が違うので塗料を選ぶ際には注意が必要です。5種類のタイプ全てがそろった塗料もあれば、艶消しがない場合や一部の種類しか対応していない塗料もあります。
塗料のカタログを見て、どのタイプがあるのか確認するようにしましょう。また、現場で職人が艶消し材を混ぜて、艶の度合いを調整することも可能ではありますが、製品の品質を保証できなくなってしまうので、あまりおすすめしません。
艶の言い方の違い
業者や地域によっては、艶の表現が違う場合があるので注意が必要です。
例えば、3分艶の塗料を7分艶消しと言うケースがあるので、業者と艶の度合に相違がないか、しっかりと打合せ時に確認する必要があります。
仕上がりがイメージと違う
太陽光に当てると、実際に塗装した外壁のほうがカタログや見本板と比べて、思っていたよりも艶があるように感じてしまう場合があります。
面積効果と言われる現象によって、面積の大きさによって艶の見え方が違ってしまう場合があります。サンプルを用意してもらう場合にはできるだけ大きいものを用意してもらうようにしましょう。
また、晴れの日や曇りの日、太陽光、蛍光灯など当たる光の種類によっても艶の見え方が変わってしまうので注意が必要です。
まとめ
艶には5種類のタイプがあり、仕上りの見た目に大きく影響するのはもちろんのことですが、建物の機能性や耐久性も変わります。
艶ありと艶なしそれぞれにメリット、デメリットがありますが、耐久性や汚れのつきにくさだけを考えると、艶ありの塗料がおすすめです。
和風の建物や落ち着いた印象にしたい方は、艶消しのデメリットをよく理解したうえで検討されることをおすすめします。光の当たり方によっても艶の見え方が変わってくるので、光の明るさなどに注意しながら、艶を確認することが重要です。