戸建住宅の塗装工事でリフォームローンを使う方法や注意点
外壁や屋根は経年によって劣化するため、建物を長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
しかし、外壁や屋根の塗装を含むリフォーム工事では、高額な費用が必要になるため一括で支払うとなると大きな負担になってしまうため、メンテナンスを先延ばしされる方も少なくありません。
自己資金だけでは難しいという場合に選択肢のひとつとして検討したいのがリフォームローンです。
リフォームローンを活用することで、まとまった資金が手元に用意できなくても、適切な時期に必要なメンテナンスを検討することができます。
ただ、利用する金融機関やローンの種類によってメリットやデメリットに違いがあるので、違いを理解した上で、検討する必要がありますので、このページでは、リフォームローンの種類や特徴について紹介します。
リフォームローンとは
リフォームローンとは、住宅の増改築や修理などを目的としたリフォーム工事に利用できるローンのことです。
外壁や屋根の塗装を含むリフォーム工事では、大がかりな工事となると数百万円を超える費用がかかるケースもあります。
そのため、一括でリフォーム費用を用意するのが難しい場合は「リフォームローン」を活用し、10年〜の長期間に渡って小額ずつリフォーム費用の返済することも可能です。
有担保ローンと無担保ローンの違い
リフォームローンには、「有担保ローン」と「無担保ローン」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
【有担保ローン】
無担保ローンに比べ借入限度額が高く、借入期間も最長で35年と長いという特徴があり、金利も約1%と低めに設定されています。
無担保ローンより安い金利で多くの借り入れができ、返済期間も長期で設定することができますが、担保を設定するための手続きや審査が煩雑で時間がかかるというデメリットもあります。
【無担保ローン】
有担保ローンに比べ手続きや審査が簡単で早く、手軽に利用でき、万が一ローンの返済が難しくなったとしても、担保を設定してないので担保を失ってしまうリスクがないというメリットがあります。
しかし、担保がない分借り入れの際に制限が多く、「金利が高い」「返済期間が短い」などのデメリットにも注意が必要です。
固定金利と変動金利の違い
リフォームローンには、金利にも大きく分けて「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
【固定金利】
金利が借入時から完済するまで変わらないという特徴があります。
返済期間中に市場金利が上昇しても、返済額が増えることはありませんので、返済計画を立てやすいというメリットがあります。
ただ、市場金利の影響を受けないので、金利が低下しても返済額が変わらず、金利低下のメリットを受けることができないというデメリットもあります。
返済期間が長期になるため、金利変動のリスクを抑えたいという方や、完済するまで月々の返済額を一定にしておきたいという方には固定金利が向いています。
【変動金利】
市場金利によって金利が変動するという特徴があります。
固定金利に比べ金利水準は低めになっていますが、将来市場金利が上昇し返済総額が増えてまうリスクも考慮する必要があります。
また、金利の動向によって返済額が変動するため、返済計画を立てにくいというデメリットもあります。
市場金利の影響を大きく受けるため、日頃から経済状況を細めにチェックしてすばやく対応できる方や、短期間で完済できるという方には変動金利が向いています。
リフォームローンの種類
リフォームローンを扱っている金融機関には、住宅ローンを申し込んでいる銀行のほかに、その他の銀行、クレジットカード会社、公的融資の4種類があります。
住宅ローンを組んでいる銀行のリフォームローン
現在、住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローンの申し込み内容や借入状況によって他の銀行よりも有利な条件で申し込みができる可能性があります。
まずは、返済住宅ローンを組んでいる銀行にリフォームローンが利用できるか確認してみましょう。
すでに返済の実績があるため、審査に通りやすい傾向があり、状況によっては低金利でリフォームローンが組めたり、リフォーム一体型の住宅ローンへ変更できる可能性もあります。
銀行のリフォームローン
住宅ローンを組んでいる金融機関でリフォームローンを取り扱っていなかったり、審査に落ちた場合は、別の金融機関での新規申し込みをすることになります。
ただし、銀行のリフォームローンを単体で利用した場合、住宅ローンを組んでいる銀行よりも条件が悪く審査が厳しい傾向があります。
また、住宅ローンの返済が残っている状態で新たにリフォームローンを利用する場合には、利息を余分に支払うことになります。
余分な負担を減らすためにも、住宅ローンを返済している金融機関でリフォームローンを利用できない場合は、リフォームローンを利用できる金融機関で住宅ローンの借り換えや、リフォーム一体型ローンへの変更をおすすめします。
住宅ローンを借り換える際には、既存の住宅ローンに設定されている担保を取り消すための「抵当権設定費用」が必要になるので、こちらの費用も忘れずに予算に入れておきましょう。
クレジットカード会社のリフォームローン
契約をする塗装業者がクレジットカード会社と提携している場合には、クレジットカード会社のリフォームローンを利用することができます。
塗装業者の提携先のため、手続きなどをスムーズに行えるというメリットはありますが、銀行に比べ金利が高いので利用の際には注意が必要です。
また、塗装業者がクレジット会社と業務提携を結んでいない場合には、クレジットカード会社のリフォームローンを選択することはできません。
公的融資
住宅金融支援機構の「フラット35」や地方自治体による「市町村融資制度」など、公的機関が行っている融資制度もあります
【市町村融資制度】
市町村融資制度の場合、自治体から無担保で借り入れができる制度ですが、都道府県や市町村によって実施状況が異なるため、お住いの地域で申し込みを受け付けているか確認しておく必要があります。
【フラット35】
また、フラット35とは住宅金融支援機構が銀行と提携して実施する住宅ローンのことで、リフォーム工事単体で利用することはできませんが、中古住宅の購入とリフォームを同時に行う場合に限り利用可能です。
フラット35リノベ(リフォーム一体型タイプ)を利用するためには、建物や申込者が以下のような条件を満たしている必要があります。
・過去に人が住んでいた、または建築から2年以上経過している
・住宅支援機構の基準を満たしている(床面積、接道、耐久性など)
・新耐震基準を満たしている
・満70歳未満
・借入額に見合う年収がある
・本人または家族が住む
・購入する住宅の火災保険に加入している
その他詳しい条件は、住宅金融支援機構の公式ホームページをご確認ください。
住宅金融支援機構:【フラット35】リノベ
比較表
担保 | 金利 | 審査 | |
---|---|---|---|
銀行 | あり | 高い | 厳しい |
住宅ローンの銀行 | なし | 低い | 緩い |
クレジットカード | なし | 高い | 緩い |
公的融資 | 有担保 (融資額300万円以下の場合は無担保) |
固定金利のみ | 厳しい |
リフォーム支援制度
リフォーム工事では、補助金や減税などの優遇措置を受けられる場合がありますので、リフォームローンを利用する前に支援制度も利用できるか確認しておきましょう。
補助金
各都道府県や市町村によっては、リフォーム内容に応じて補助金を受けることができる「リフォーム支援制度」が実施されている場合があります。
外壁や屋根塗装の場合、「省エネ住宅改修補助金」や「住宅リフォーム資金助成」などの制度が対象となる場合が多いです。
また、補助金の予算には上限があるので、希望者が多いとすぐに上限に達して締め切られてしまい、その年の補助金は利用できなる恐れがあります。
申請をする場合には、早めに準備を進めておきましょう。
各地域の支援制度は、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会や各市町村のホームページで確認することができます。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和5年度版)
住宅ローン減税や確定申告による減税
住宅ローンを活用して100万円を超えるリフォーム工事を行った場合は、住宅ローン減税を利用することができます。
住宅ローン減税とは、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から10年間控除する制度で、一般住宅の場合、10年間で最大400 万円(年間40万円×10年間)まで控除可能です。
住宅ローン減税を利用するためには、以下のような条件がを満たし確定申告を行う必要があります。
・床面積が50㎡以上であること
・借入金の償還期間が10年以上であること
・一定の増改築等工事を実施した場合、増改築等の工事に要した費用の額が100万円超であること
・自身が所有する住宅の、主要構造部分の増改築工事ための借り入れであること
などの条件があります。詳しくは国土交通省のホームページをご確認ください。
また工事内容によっては住宅ローン減税の他にも、以下の減税制度が利用できる場合があります。
・住宅特定改修特別税額控除
・住宅耐震改修特別控除
・特定増改築等住宅借入金等特別控除
・住宅借入金等特別控除
こちらも詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
リフォーム一体型ローン
リフォーム一体型ローンとは、中古住宅の購入費用とリフォームリノベーションなどの改装費用を合算して利用できる住宅ローンのことです。
住宅ローンとリフォームローンを別々に利用しようとすると、どちらにも審査や手続きが必要となるため、かなりの手間と時間が必要となり、2つのローンを返済しなければいけません。
そこで現在注目されているのが、「リフォーム一体型ローン」です。
リフォーム一体型ローンを利用して、ローンを一本化することによって住宅ローンと変わらない金利や返済期間でリフォーム分の資金を借り入れられ、毎月の返済額も抑えることができます。
ただし、全ての金融機関にリフォーム一体型ローンが用意されているわけではなく、取り扱いのある金融機関ごとに内容も異なるためしっかりと下調べを行うことが重要です。
まとめ
外壁や屋根塗装をしたくても経済的負担で諦めているという方は、リフォームローンを活用して負担を軽減していく事も一つの選択です。
ただし、ローンを組む際には返済計画や、借入先などのメリットデメリットを十分に理解して利用することが大切です。
また、リフォーム支援制度を利用すれば、補助金や減税処置が受けられる場合もあるので、お住いの市区町村で行われている制度についてもよく確認をしておきましょう。
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