屋根塗装で行う縁切り・タスペーサーの価格や単価
屋根塗装を行う際、屋根材の種類によっては「縁切り」と呼ばれる作業が必要になります。この作業は雨漏りを防ぐためにも非常に重要な工程なので、適切な方法で行うことが重要です。
このページでは縁切り・タスペーサーの作業内容や費用、縁切りを必要としないケースなどについて紹介します。
縁切りとは
縁切りとは
通常、屋根材と屋根材の間には隙間があるため、塗装していると隙間が埋まっていってしまいます。縁切りは、この隙間に塗料が入り込まないようにするための作業です。主にスレート屋根やコロニアル屋根で行われます。
縁切りをしないケース
新築後、初めて塗り替えをするときは縁切りをしないケースがあります。
理由は2つあり、1つ目は紫外線などが当たって屋根材が自然と外側に反るため、塗装をしても十分な隙間ができるからです。
2つ目は、隙間が埋まるほど屋根材に塗膜の厚みが無いためです。何回も塗装を繰り返している屋根材は塗膜が何層にも重なっている状態で厚みがでてきますが、1回目の塗り替えであれば塗膜が厚みを増して隙間を塞ぐことはありません。
縁切りをしないと雨漏りの原因になる?
屋根材と屋根材が重なり合う部分の隙間には、屋根材の内側に入り込んだ雨水を外へ排水する役割があります。
しかし、隙間が塞がれると雨水が排水できずに溜まり、さらに毛細管現象と呼ばれる狭い所へ水を吸い上げる現象によって、雨の日には屋根材の狭い隙間へ向かって雨水が侵入してきます。
やがて侵入した雨水は排水できないまま屋根の内側全体に広がり、屋根の下にある防水シートや野地板まで影響を及ぼして、最終的には雨漏りが発生します。
縁切りの工法は2種類
従来の縁切り工法
従来の縁切り工法は、塗装をした後にカッターナイフや皮スキなどを使い、塞がってしまった部分を手作業で切って隙間を作っていく方法になります。
ただ、乾いた塗料は硬いため、2階建ての住宅を2人で作業しても丸1日必要で非常に時間がかかります。また、塗装をした後に作業をするので、せっかく綺麗にしても汚れてしまったり、切った部分がギザギザになって見た目が悪くなってしまう可能性があります。
タスペーサー工法
タスペーサー工法は下塗りをした後、中塗りを行う前にタスペーサーと呼ばれる部材を隙間に挿入して、あらかじめ隙間が塞がるのを防ぐ方法です。
従来の工法と異なり、作業時間が一人で行った場合3時間程度と短く、新しい塗膜を傷つけることもないので、現在主流の工法となっています。また、作業時間が短縮された分、人件費が削減できるメリットもあります。
縁切りの費用
従来の縁切り工法の単価は、㎡あたり500円~800円程度が相場です。一般的な戸建て住宅でかかる費用は、35,000円~60,000円程度となります。
タスペーサー工法の単価は、㎡あたり300円~500円程度が相場です。一般的な戸建て住宅の場合、1,000個前後のタスペーサーを使い、費用は20,000円~35,000円程度となります。
まとめ
縁切りとは、塗装の際に屋根材と屋根材の間が塗料で塞がらないようにする作業です。工法は従来の縁切り工法と、現在主流のタスペーサー工法があり、費用は㎡あたり300円~500円程度になります。
きちんと縁切りが行われないと雨水を排水できなくなり、やがて屋根全体に雨水が溜まって雨漏りに繋がってしまいます。そのため、見積りを依頼するときは縁切り・タスペーサーが行われるのか、しっかりと確認しておくことが大切です。