低汚染塗料とは?建物の汚れる原因と低汚染塗料の仕組みを解説
低汚染型塗料とは、簡単に言うと汚れにくい塗料です。最近では超低汚染なんていうものも出てきております。
ここでは、建物がなぜ汚れるか?低汚染塗料はなぜ汚れにくいのか?について説明していきます。
低汚染系は、セルフクリーン機能で汚れにくくしている
低汚染系の塗料のほとんどは、塗膜を親水型や超親水型にして、セラミックなどの無機系の物質が表面にくるように形成されています。そのため、雨が降って壁に付着した汚染物質の中に雨が入って汚れを洗い流す(セルフクリーニング)の効果を持たせています。
ただ、この技術は各メーカーによって差があります。例えば、とある塗料は、「塗った後しばらくは撥水し、その後に本来の親水機能が現れる」と発表している眉唾物もありますので、メーカーの言うことは鵜呑みにはしないでください。
3つある汚れのメカニズム
では、何故せっかく塗った塗料は汚れてしまうのでしょうか?「塗料メーカーさんは初めから汚れにくいものを提供すればいいのに…」なんてひねくれ者の私なんかは思ってしまいますが、ほとんどの塗料は帯電性を帯びてしまうので、チリや埃を寄せ付けてしまう性質があります。
帯電性(静電気を帯びること)による汚れ
軒天(外部の天井部)が雨も当たらないのに黒ずんでたり、汚れているのを見ることが多いですが、それはなぜかというと、塗装面が帯電性(静電気を帯びること)によって、チリや埃が吸い寄せられて汚れが付着してしまうからです。
シーリングのタックによる汚れ
汚染のもう一つは、シーリングなどの可塑剤(油分)が壁に付着して、タックと呼ばれるベタツキにより汚れが付着するものです。シーリング材に含まれる成分が、ブリード現象というベタツキを起こして汚れを付着させてしまいます。
これは、使用するシーリングをノンブリードタイプ(ベタツキを抑えるもの)で施工することで、ある程度の汚染は防ぐことはできます。
雨による汚染
最後に雨による汚染(雨筋汚染)があります。小さい頃に、大口を開けて雨を飲んだ経験って誰しもあると思います(笑) 雨は、工場や車の排気ガスなどの煤煙やチリが、大気中で核となって空気中の水分と結合して地上に降ってきております。雨の中には、汚れの原因となる物質が含まれていることになります。
今思うと汚い雨を飲んで喜んでしておりました…(苦笑)
塗装した壁の上にばい煙や塵を含んだ雨が降ってきて、何度も同じ場所を通ることで黒ずみができてしまうというのが、雨筋汚染のメカニズムとなります。この雨筋汚染は、構造上の問題でどうしても防ぐことができない場合もあります。
暴露試験で低汚染塗料を試験中です
弊社も加盟している日本塗装名人社では、事実宮古島で半年間の暴露試験(塗料の耐久試験)を行っていおります。何十種類の塗料をテストしていますが、直ぐに塗り替えが必要なほどに汚染されている超低汚染型の塗料もございます。
この事実を知っている私は、恐ろしくてお客様のお宅にその塗料を使い施工をすることはできません。メーカー曰く、半年後に超親水膜になるというのですが、果たして本当なのでしょうか?疑問です。