外壁・屋根塗装で補助金(助成金)を受ける条件と注意点
外壁・屋根塗装は決して安い工事ではないため、「劣化や汚れは気になるけど、なかなかメンテナンスに踏み出せない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。また「品質は落としたくないけど、できるだけ費用を抑えたい」と感じている方も多いかと思います。
そのような時にぜひ活用したいのが、各自治体が行っている補助金・助成金制度です。塗装工事にかかる費用を一部補助してくれるため、施主様にとっては非常にメリットが大きい制度となります。
今回は、外壁・屋根塗装工事で利用できる補助金・助成金制度の種類や条件、手続き方法などをご紹介します。
※2024年現在、宮城郡・仙台市では、外壁・屋根塗装工事で使える補助金制度は実施されておりません。
補助金・助成金とは
補助金・助成金制度とは、国や自治体が行っている制度のことで、住宅リフォームや耐震性向上など様々な工事を対象に、その工事の費用にかかる費用を一部補助してくれます。
補助金・助成金の返済は不要です。また、工事終了後に後払いで受け取ることができます。
ただし、利用できる制度があるか?どのような工事が対象なのか?など、実施状況や条件や各自治体によって異なります。そのため、補助金・助成金の利用を考えている方は、まずご自身がお住いの地域で制度が実施されているかを確認する必要があります。
補助金と助成金の違い
補助金と助成金に明確な違いはありませんが、一般的には補助金は審査を通過しなければ受け取れないのに対し、助成金は条件を満たしていれば基本的に誰でも受け取ることが可能です。
また、補助金は申請期間が定められていたり、予算や受付人数に限りがあるケースが多いです。予算や人数が上限に達した場合は、申請期間よりも早く受付を終了することもあります。
このページでは「補助金」と記してご紹介していきます。
外壁・屋根塗装の補助金
外壁塗装工事が対象となる可能性が高い補助金は、次の2つです。
省エネリフォーム
省エネやエコ、ヒートアイランド対策を目的として、外壁・屋根に遮熱塗料や断熱塗料を使用すると、省エネ工事と認められて補助金が適用される可能性があります。
遮熱・断熱塗料とは、外壁や屋根から室内へ伝わる太陽熱を遮断して、室内温度の上昇を抑える性能を持つ塗料のことです。この性能によって室内が涼しくなり、エアコンの使用量も減るため、結果的に省エネ対策に繋がるとされています。
使用できる塗料に関しては、各自治体が定めている遮熱・断熱効果の基準を満たしている必要があるので、塗料の選定時に業者と相談しながら決める必要があります。
一般的な住宅リフォーム
修繕工事や耐震リフォームなどの住宅リフォームを対象とする制度で外壁・屋根塗装も補助の対象となるケースがあります。
ただし、自治体によっては住宅リフォーム補助金としていても外壁・屋根塗装は対象外としていたり、他の工事と併せて塗装工事をする場合のみ補助の対象としている場合などがあるため、対象工事について詳しく確認しておくことが重要です。
補助金を貰うための条件と注意点
次に、補助金を受け取るための条件と注意点をご説明いたします。
補助金を貰うための条件
制度や自治体によっても異なりますが、補助金を貰うための条件は主に次の点です。
基本的には申請を行う地域で住民登録をしており、自身で居住しているもしくは居住するために行う工事であることが条件となります。また施工業者に関しても、その地域に事務所を構える業者や、自治体に登録されている業者に依頼する必要があります。
その他によくみられる条件として、過去に同じ補助金を受け取っていない、工事費用が○○円以上である、店舗や事務所は対象外などといった内容も制度によっては挙げられます。
補助金の申請は必ず工事開始前に行う
補助金の申請は、必ず工事開始前に行いましょう。工事を始めてからでは補助金の申請はできませんので注意が必要です。
補助金を利用したい場合は事前に業者にもその旨を伝えておき、申請期間までに書類を揃えられるように計画的に準備を進めて行くことが大切です。
きちんと業者であれば補助金の手続きに関する知識もある程度持っているので、最初の見積もりの段階から補助金についても話し、今後の流れをしっかりと確認しておくようにしましょう。
補助金の交付は施工業者への支払いが済んでから
実際に補助金が受け取れるのは、施主様が施工業者へ工事代金を支払った後になります。そのため、補助金を利用する場合でも、まずは施主様で工事にかかる費用を全額用意しておかなければなりません。
また、工事代金の支払いから補助金受け取りまでにも時間がかかるので、費用面においても余裕を持っておくようにしましょう。
受け取れる補助金額
外壁・屋根塗装で受け取れる補助金額は制度によって変動しますが、相場は10万円~30万円程となります。一般的な戸建て住宅の塗装工事にかかる費用は100万円前後なので、補助金が適用されれば2割程は費用を抑えられます。
申請から受給までの流れと必要書類
申請から補助金受け取りまでは、次のような流れとなります。手続きには時間と手間がかかりますので、できるだけ早めに準備を進めて行くようにしましょう。
1.補助金の申請
業者から見積もりを取って工事内容も決まった後は、工事開始前にお住いのエリアの自治体に補助金の申請を行います。必要書類は自治体や制度によって異なりますが、主に以下の書類を提出します。
・申請書
・登記事項証明書などの建物の所有者がわかる書類
・見積書
・平面図や立面図
・施工箇所の写真
・身分証明書
申請書は申請をする自治体のホームページからダウンロードするのが一般的です。書き方などの説明も記載されているので、指示通りに作成すれば問題ありません。施工箇所の写真は業者に用意してもらいます。
またその他にも、塗料の性能を証明するカタログや、施工業者が代理で申請をする場合は委任状が必要になるケースもあります。
2.交付決定通知が届く
申請内容に不備がなければ交付決定通知が送られてきます。交付決定通知が届くまでは制度によって時間の幅があり、一般的には1週間~4週間程かかります。
交付決定通知が届く前に工事を始めてしまうと補助金が受け取れないため、希望の施工時期がある場合は時間に余裕を持って申請するようにしましょう。
3.工事開始
交付決定通知が届いたら工事を開始します。その際、必ず申請時に提出した見積書通りに工事を進めましょう。
見積書の内容と違う工事をしたり、別の塗料を使用すると補助金は受け取れません。もし、申請した見積書と工事の内容が変わる場合は、変更内容を新たに申請する必要があります。
4.工事終了後に完了報告書を提出する
全ての工事が終了した後は、自治体に次の書類を提出します。
・完了報告書
・施工後の写真
・領収書など施工業者への支払いが証明できる書類
・補助金を交付してもらうための請求書
完了報告書は実績報告書などとも呼ばれ、基本的に自治体のホームページでダウンロードできます。
また、自治体によっては上記の必要書類を提出した後に、実際に現地で建物の状況をチェックし、申請していた工事内容が間違いなく行われているかを確認するケースもあります。
5.交付額確定通知が届く
工事終了後に提出した書類に不備がなければ、交付額確定通知が送られてきます。ここで受け取れる金額がわかります。
6.補助金の受け取り
交付額確定通知の送付から2週間~4週間程で補助金を受け取ることができます。交付方法は基本的には口座振込ですが、自治体によっては商品券で支給という形をとっている場合もあります。
まとめ
補助金を使って外壁・屋根塗装を行いたい場合は、できるだけ早く申請ができるように行動することが重要です。多くの補助金は予算や受付人数が設けられているため、申請期間内に上限に達すると途中で申請が閉め切られてしまう可能性があります。
また、施工業者を探す際は最初に補助金を使用する旨を伝えておくことで、業者と協力しながら手続きや書類の準備を進められスムーズに申請が行えます。
補助金の実施の有無や条件などは各自治体によって異なります。そのため、補助金を使って外壁・屋根塗装をしたいとお考えの方は、まずはお住いの地域のホームページなどを確認してみるようにしましょう。